書評家・東 莉央の毎日書評

若手書評家、アートカルチャー系ライターをしています。り📚です。元書店員。独自書評や買った本の話、美術館や観劇の記録などをつけていきます。併設趣味ブログhttps://culture76.hateblo.jp/

書評 / 高瀬隼子『いい子のあくび』

注目の芥川賞作家が語るいい子とは?『いい子のあくび』

こんにちは。り📚書評家です。

みなさまいかがお過ごしですか?

 

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本日の独自書評はこちら。

高瀬隼子さんによる小説『いい子のあくび』をレビューします。

 

小説『いい子のあくび』は集英社さんより発売されています。

 

表題作小説『いい子のあくび』

単行本『いい子のあくび』は中短編の小説が複数収録されています。その中でのメインは表題小説の「いい子のあくび」だといえるでしょう。

 

「いい子のあくび」はおとなしく規律を守り、いい子だとしてこれまで生きてきた主人公がいい子に飽きてしまったようなお話です。

 

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どうでもいいような場面で、どうして自分ばかりこんなに損をしているんだろうと考えている主人公。

人の生き方はポイントが貯まったり差し引かれるようなものであり、ずっといい子をしてきた自分はちょっとぐらい悪いことをしてやらないと気が済まないという考えを持っています。

 

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世界中の人の「ポイント」が釣り合っていないことに、とても腹を立てているのです。

そうして彼女が思い立ったのは、「歩きスマホをしている人を避けてあげないこと」でした。

 

【もっと効率よく読書したい本物の読書家へ捧ぐ革命】

歩きスマホの現代社会

わたしも日頃とても気になるので、歩きながらスマホの画面を見ている人の多さはわかっているつもりです。

わたしも画面は見ていなくとも、グーグルマップを開いていたり、電話が鳴るのを待っていたりとスマホを手に持って歩いていることはとても多いと反省しています。

時刻をこまめに確認していることもあります。

 

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おそらく多くの人が軽度のスマホ依存であり、連絡はすぐに返さないといけずSNSは自主的にチェックのひちようを強いられている生活の中で、「危ないから」スマホをしまわなくていけないというマナーは頭にありません。

 

スマホを見ている人が多い中で、自分のようにごく一部の人間がそれを避けてあげている。

避けてばっかりの人生を不憫に思った「いい子のあくび」の主人公は、自分はもう道を逸れないことに決めました。

 

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避けてあげないことで起こる事故

歩きスマホを避けてあげないことで、主人公とぶつかってしまう人や怪我をしてしまう人が出てきます。

彼女は内心、その瞬間を「やばい」と思っていて、しかし引くに引けなさを感じているようです。

さらに自分が怪我を負ってしまった場合には、擦り傷ひとつに慎重な手当てをします。

 

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小説『いい子のあくび』の主人公の意思

小説『いい子のあくび』のこれらの描写から汲み取ることができるのは、主人公は決して人を怪我させたいと思ってぶつかっているわけではないということです。

自分が怪我することも、とても怖がっています。

人を不幸にしたくてこの行いをしているのではなく、ただただ納得がいかない世の中の構造にあがって見ているのでしょう。

 

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主人公の中でもだんだんと矛盾が生じていきます。

怪我をするのが怖いのに、なぜ歩きスマホを避けないのか。

 

誰にも話すことのないこの胸の内の問いをもとに、主人公は小説『いい子のあくび』の中でsどんどん孤立していくのでした。

 

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終わりに📚

本日の独自書評では高瀬隼子さんの小説『いい子のあくび』をレビューしました。

いかがでしたか?

 

『いい子のあくび』は高瀬隼子さんの芥川賞受賞後第一作であり、第74回芸術選奨文部科学新人賞を受賞した書籍です。

ぜひ気になっていただけましたら嬉しいです!

 

同時収録『末永い幸せ』 / 『いい子のあくび』

小説『いい子のあくび』に収録されているちなみにわたしは同時収録の「末永い幸せ」もとても好きでした。

友人の結婚式にまつわるモヤモヤとした感情のお話です。

 

【大切な本のバトンを繋ぐブックサプライ】

この手の細やかな感情の表し方やぶつけ方をわたしはまだ知らないなと感じました。

もしかしたら著者の高瀬隼子さん自身も知らないからこそ、生身の人間にぶつけたことのない思いを煮詰めて、これほど見事な小説を書き上げていらっしゃるのかもしれません。

www.shueisha.co.jp

 

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おかげさまでアクセス解析を見るのがとても楽しいです。

 

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以上、り📚書評家でした~!

 

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