り📚書評家による小説のすゝめ

若手書評家、アートカルチャー系ライターをしています。り📚です。元書店員。独自書評や買った本の話、美術館や観劇の記録などをつけていきます。併設趣味ブログhttps://culture76.hateblo.jp/

劇評 / 新国立劇場バレエ『白鳥の湖』構成・演出面フィーチャー版

『り📚書店員による小説のすゝめ』

こんにちは。り📚書店員です。

みなさまいかがお過ごしですか?

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本日の独自劇評はこちら。

新国立劇場バレエ『白鳥の湖』をレビューします。

www.nntt.jac.go.jp

 

全部で3公演観にいくつもりの『白鳥の湖』。

本日は1つめを観終えたばかりで、構成や演出面にフィーチャーして劇評を書いていきたいと思います。

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さすがは日本唯一の国立バレエ団!

今回の新国立劇場バレエ『白鳥の湖』はまさに「王道」と「王道」のぶつかり合いのようなクラシック一本道の上演でした。

新国立劇場バレエ場は、「日本で唯一の国立劇場に所属しているバレエ団」です。

 

わたしは新国立劇場バレエは、日本一のバレエ団だと思っています。

 

そして超有名なバレエ演目『白鳥の湖』。

「バレエと言えば、白鳥の湖」と、まず連想する方も多いのではないでしょうか。

バレエを観たことがない人でも、『白鳥の湖』なら知っていると言う方も多いはずです。

 

そんな「王道」と「王道」の素晴らしい掛け合いを見ることができた公演でした。

 

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クルティザンヌ/ /パ・ド・トロワ

新国立劇場バレエ『白鳥の湖』の第1幕。

ジークフリード王子の戴冠式のお祝いで、幼なじみたちが踊る場面を「パ・ド・トロワ」ではなく「クルティザンヌ」という役名で演じます。

 

ロシア版のパ・ド・トロワの振り付けにほど近い新国立劇場バレエの『白鳥の湖』クルティザンヌ。

 

アダージオ、バリエーションを通し、コーダまで、目が喜んでばかりの贅沢な時間でした。

 

まずは序盤のパドブレのステップ。

どこかしらにジャンプのステップを入れることが多いパ・ド・トロワ定番の振り付けです。

 

今回クルティザンヌたちはアラベスクをアテールプリエで踏む振り付けで踊りこなしています。

 

プリエするとなればが下に沈んでいく感覚があるのか、というとまるでそんな事はなく。

バレリーナさん達の背中に「羽」が生えているように軽やかで、上下よりも前進するためのエネルギーが強く見えました。

 

今回の演目は『白鳥の湖』であり、背中に「羽」が生えている鳥たちの役を演じるダンサーたち。

この時1幕でのクルティザンヌは人間の女性の役ではありますが、これから彼女たちが白鳥役を演じることをすでに思い出させてきました。

 

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コールドバレエ

女性バレリーナの群舞を「コールドバレエ」といいます。

また『白鳥の湖』の2幕や4幕のような白い衣装のコールドバレエを「バレエブラン」と呼ぶこともあります。

 

新国立劇場バレエは主役やソリストたちの踊りの技量はもちろん、コールドバレエのダンサーたちの技量もピカイチ。

さらにコールドバレエそのものも素晴らしいのです!

 

ぜひ新国立劇場バレエでコールドバレエを観る際は、誰か1人に注目をして踊りをぐっと見つめるよりもルーズ目に、なだらかに美しく形態が刻一刻変化していく様を見ていただくことをおすすめしたいです。

ロットバルトはどこまで悪魔?

これまで何度も見てきたバレエ『白鳥の湖』。実は4幕のおしまいには主な筋書きが2通あります。

 

悪魔ロットバルトに打ち勝つことができたオデットとジークフリードの話になる場合と、

ロットバルトに敗れ現世に失望し、身を投げるオデットとジークフリードの話になる場合です。

 

どちらをとってもロットバルトは悪役に変わりがありません。

けれど、今回新国立劇場バレエの『白鳥の湖』を観たことで、わたしの中の「ロットバルト解像度」がひじょうに上がったので、一度ここに書いてみたいと思います。

 

2幕終わりまで「あくまでおとぎ話の中の悪魔」

まず物語序盤。

ロットバルトは若い人間の女性たちへ魔法をかけて、白鳥の姿へと変えています。

2幕の始まりまでそんな事は一切明かされないのですが、『白鳥の湖』の幕が上がる「その前から」オデットたちは白鳥にされていたと捉えることが自然でしょう。

 

これはひじょうにバレエらしいというか、おとぎ話らしいと感じます。

例えば石にするとか死なせてしまうとか、そういった完全なる危害を与えません。どこか現実離れしていてロマンがあります。

その証拠に、現世的に言うなら「愉快犯なのか?」と思うような「なぜ鳥にした?」と言う疑問が残ります。

動物をいじめることだけに快感を覚えるタイプの人なのかなと捉えることもできます。

 

『白鳥の湖』序盤から2幕の終わりまで、ロットバルトはあくまで「おとぎ話の中の悪魔」であるのです。

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3幕ではじめて実質的かつ身体的な危害を与えにくる

それが3幕になるとどうでしょう。有名なのは黒鳥のグラン・パ・ド・ドゥのシーンですね。

ここからロットバルトの荒々しさが一気に増していきます。

 

グランパ・ド・ドゥを踊り終えたジークフリードのもとへ近づくロットバルト。

「お前は彼女との永遠の愛を誓うか?」

「誓います」

「正面向いて言え!」

「はい!!」

その瞬間、肩を突き飛ばして反転させ「ほ〜らみろ」と大笑い。

 

体を突き飛ばすような肉体的な危害を与えてきます。

さらに婚約という王子の一生をかけた問題に忍び込んでくるのです。

また王子が誤ってオディールとの永遠の愛を使ってしまったことにより、オデットも救われないという結末に自然と陥ります。

 

3幕で初めて実質的かつ、身体的な危害を与えに来るのです。

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ロットバルトの変化が見せるもの

男女のセクシャリティ?

わたしが思うに、このロットバルトの悪の方向性の変化は、対する相手が同性であるか異性であるかに、かかっているのではないかと思いました。

オデットを白鳥にするだけであればまたレディーファーストであり、オデットは白鳥としても充分美しい姿を発揮しています。

けれども男の敵を見つけたことにより、ロットバルトの悪魔性が暴走化。

 

それまでは見せなかった身体的暴力の接触を見せてくるようになります。

『白鳥の湖』は古来のお金持ちのおうちの話

他にも新国立劇場バレエ『白鳥の湖』を見ていて男女のセクシャリティを感じるような演出がわたしには数々感じられました。

 

『白鳥の湖』は古来の、お金持ちのおうちの話であり、

セクシャルごとの「こうあるべき」という役割が随分固かったのでしょう。

その演出を吉田都さんは大事にされたかったのではないでしょうか。

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見極めることができなかった若王子・ジークフリード

さらに注目したいのは、『白鳥の湖』という物語で描かれる恋愛性についてです。

 

戴冠式の夜、自分が嫁を貰うという現実からどうしても逃れたいジークフリート王子。

白鳥狩ろうとしてオデットと出会います。

2幕の中ではジークフリート王子は完全にオデットに心酔し、アダージオを踊り始めたあたりで完全に惚れ込んでいる様子です。

初めて会った女性を、「20歳の男性」はどれくらい見つめることができるというのでしょうか。

 

それについて考えさせられるのが第3幕。

オデットとオディールは瓜ふたつ。顔や容姿がそっくりなのです。(一般的には同じバレリーナが2役を演じます。)

 

そもそも身にまとっている色が違います。

そして、これだけ性格の違いそうな女性2人を見極められないものなのでしょうか。

 

ジークフリード王子の女性経験の未熟さとともに、そもそもが王子としてまだまだ未熟であるということを大いに見せつける『白鳥の湖』の筋書きではないでしょうか。

 

4幕ではオデットと白鳥たちに謝罪をするジークフリート王子。

けれども謝って済むような問題なのかなと外野ながらに思います。

謝れば相手が許してくれるだろうと信じている。その姿勢こそが「ジークフリート王子の未熟さ」を示し、彼が依然として「若王子」に過ぎないことを示しているのではないでしょうか。

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もう2公演!新国立劇場バレエ『白鳥の湖』

今回は新国立劇場バレエ『白鳥の湖』を構成・演出面にフィーチャーをして論じてきました。

これを書いている頃、追加でもう2公演わたしは『白鳥の湖』を観に行く予定があります。

全3公演すべて主演キャストが異なるので、見分けを非常に楽しみにしています。

 

またダンサーフィーチャー版の独自劇評をぜひ掲載したいと思っていますので、お付き合いいただけますと嬉しいです。

また気になっていただいた方はぜひ新国立劇場バレエのホームページより、

白鳥の湖 | 新国立劇場 バレエのチケットを探してみていただけると嬉しいです!

 

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終わりに📚

今日のブログはここまでにしようと思います。

日々たくさんの方に読んでいただけているようで、アクセス解析を見るのがとても楽しいです。

 

とても嬉しいです。どうもありがとうございます!

始まって間もない小さなブログですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

新国立劇場バレエの劇評はこんなものも書いています。

ぜひ覗きに来ていただけましたら嬉しいです。

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以上、り📚書店員でした~!

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