世界を歩いて光と影と、魅力の探求。『東山魁夷と風景画の旅 日本から世界へ』
こんにちは。り📚書評家です。
みなさまいかがお過ごしですか?
本日の独自美術展レビューはこちら。
福田美術館『東山魁夷と風景画の旅 日本から世界へ』の美術展評をお届けします。
- 世界を歩いて光と影と、魅力の探求。『東山魁夷と風景画の旅 日本から世界へ』
- 『月夜天橋図』谷口香嶠さん
- 『枯野図』菱田春草さん
- 『晩秋』児玉希望さん
- 『モンマルトル』モーリス・ユトリロさん
- 終わりに📚
『月夜天橋図』谷口香嶠さん
「空気遠近法」という西洋の技法を用いて描かれた水墨画なのだそうです。
きっと美術史のなかでもとくに注目されている作品なのでしょう。
月の周りに影が多く、シンプルで単色な水墨であるのに関わらず、光が刺して見えるよう。
ひっかりと色彩のアピールを感じました。
『枯野図』菱田春草さん
すすきのようなモノクロの中に、骸骨が目立ちます。
ひとりぶんなので、寿命尽きてしまった感じでしょうか。
戦地の跡を表しているような印象は受けませんでした。
33歳で目を患った作家・菱田春草さんの作品だといいます。
人の命の短さを感じさせる
『晩秋』児玉希望さん
洋画のエッセンスを取り入れつつ、日本画の趣を感じさせる作品だと思いました。
落ち着いた色彩の絵で、中央あたりに佇む鳥がとても目に留まりやすいです。
穏やかな季節のなかの、落ち着いた色彩ながらあたたかさを感じさせる景色を切りっている作品だと感じました。
『モンマルトル』モーリス・ユトリロさん
冬のように静かな景色です。
実際に木は裸ですが、でも雪は降っていません。
冬であるという明確なモチーフはとても少ないですが、寒くて雪が積もるような印象を与える不思議なタッチの作品だと感じました。
作家・モーリス・ユトリロさん自身の体調の悪さや母の死などが、重さのある雰囲気として現れているのかもしれません。
『陽春』中村岳陵さん
金木犀のような鮮やかな色をまとった木がモチーフです。
金木犀は秋の植物。実はこの作品が描いているのは春の景色です。
鮮やかなオレンジ色は木の葉なのでしょう。
葉を光に透かしたときの臨場感がたっぷり現れています。
花びらなどを下から見ると、中央部分は薄く、周辺は少し厚めになっているのを感じられるかもしれません。
こうした葉の薄さやグラデーションを感じられるよう、外側は厚めに、内側は薄めに描かれているのを見事だと感じました。
終わりに📚
本日は福田美術館での展示『東山魁夷と風景画の旅 日本から世界へ』をレビューしました。
福田美術館は、わたしのお気に入りの美術館のうちのひとつです。
東山魁夷さんの美しい作品が多く所蔵されており、何枚も見比べながらたっぷりとたのしむことができます。
今回の『東山魁夷と風景画の旅 日本から世界へ』でも、福田美術館のGallery2は東山魁夷さんの作品のみで構成されていました。
とても素晴らしい時間を過ごせると思いますので、色鮮やかで幻想的な作品をたのしみたい方はぜひ足を運んでみてください。
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