り📚書評家による小説のすゝめ

若手書評家、アートカルチャー系ライターをしています。り📚です。元書店員。独自書評や買った本の話、美術館や観劇の記録などをつけていきます。併設趣味ブログhttps://culture76.hateblo.jp/

書評 / 小川哲『地図と拳』

『地図と拳』の所属を問わない思想について。

こんにちは。り📚書評家です。

みなさまいかがお過ごしですか?

 

【もっと効率よく読書したい本物の読書家へ捧ぐ革命】

本日の独自書評はこちら。

小川哲さんの『地図と拳』をレビューします。

『地図と拳』直木賞受賞作にして超大作です。ぜひお楽しみください。

 

戦争前の満州に渡る

小説『地図と拳』の舞台は過去の満州です。

世界が摩擦で火花を起こしている時に、2人の日本人が海の向こうへ渡りました。

彼らは兵士と通訳学生です。

 

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そこから始まる歴史の物語『地図と拳』では、多くの争いがあり、多くの死を目にします。

小説『地図と拳』は、第二次世界大戦終結するその時までの「人が生きる歴史」を閉じ込めた物語です。

 

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小説『地図と拳』の魅力

戦争を題材とした小説が増えてきた近年、重く苦しい題材に尻込みしてしまう方も多いことでしょう。

そんな中でも『地図と拳』は声を大にしておすすめしたい傑作です。

 

ここからは直木賞作家・小川哲さんが小説『地図と拳』の中にどのような魅力やロジックを隠しているのかをわたしなりの視点で紹介したいと思います。

 

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小説『地図と拳』は所属を問わない思想を持つ者たちの話

戦争を舞台とした小説や映画に触れる中でわたしが常々思うのは「◯◯兵・◯◯国民」的思想などどこにもないということです。

どこに属する兵士でも、どこの国の国民でも、それぞれ独立した心を持っている者ではないでしょうか。

 

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その意思疎通に喜びを感じ、共通の志をもつものには惹かれていきます。

 

一方でどんなに悪い力がひとつの思想で染め上げようと力を尽くしたところで、ひとつの人格はそう簡単にはねじ曲げることができないのではないかというのがわたしの意見です。

 

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ひとりとひとりのドラマが描かれる小説『地図と拳』

敵国の兵士と心が通う瞬間もあるかもしれません。

異なることばを話ていても、瞳を覗けば考えを汲み取ることができるかもしれません。

 

そうしたひとりとひとりのドラマが多く描かれている点で、小説『地図と拳』は人間のあたたかさを存分に感じることができる小説です。

 

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小説『地図と拳』はキーパーソンのつかみどころのなさが魅力の話

もうひとつの小説『地図と拳』の魅力として、わたしは主人公の細川という男の存在をあげたいと思います。

実は、冒頭のあらすじで説明した「通訳学生」こそが細川さんです。

 

細川さんは、わたしが『地図と拳』を読みながら一番最初に死んでしまうのではないかとひやりと思った人物でした。

しかし彼はなんともないような顔をしながら物語に戻ってきて、次々と活躍をしていくのです。

 

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登場人物・細川さんの魅力とは

何度もピンチを切り抜けながら、時には自分から死に飛び込むようなこともしますがその度に生き残る細川さん。

あまりに驚きのスピードで出世をしていく細川さん。

時にヒーローのような行いを、さらっと行う細川さん。

 

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そんな細川さんは、自分がそれだけの力と運を持っていることを自覚していない様子です。

 

そんな細川さんのつかみどころのなさは、小説『地図と拳』をおもしろくする重要なパーツなのではないかと考えています。

地図か拳かで闘う

ひとつの独立した人格を持つ小説『地図と拳』の登場人物たちは、彼らは日々に、死に際に、いったい何を思うのでしょうか。

 

銃を使い、剣を使い、武器が使えなくなればこの手で人の首を絞める。

戦略ともいえぬほどの知恵を苦し紛れに絞ります。

戦場へ向かい、殺し、殺されるための戦力として力を尽くす戦い方です。

 

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一方で知性派の人間には、別の闘い方があります。

戦略を練ったり、研究をしたり、未知の土地の地図を作ることで兵士たちの頭脳となるのです。

 

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タイトル『地図と拳』

そのトップに立つのが細川さんという男性です。

頼りない学生通訳者でしたが、次第に若い人に慕われる指導者になります。

「戦争」を解剖し構造を論理的に読み解く講演を行います。

この細川さんの名説に「地図と拳」という名前がつけられていたのでした。

 

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この細川さんの演説には胸を打たれました。

人が何度歴史を重ねても戦争を止めることができないわけが少しわかった気がします。

 

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戦争の構造を知る

わけがわかったからといって、肯定できるわけではありません。

この度の争いも人が亡くなりすぎで、外部のものが手の出し方すらわからないほどのことが起きています。

そのことを、とても悲しいと思いました。

 

【もっと効率よく読書したい本物の読書家へ捧ぐ革命】

終わりに📚

今回の書評では小川哲さんによる小説『地図と拳』をレビューしました。

みなさまいかがでしたでしょうか。

 

【自分好みのコーヒー、ちゃんとわかってる?】

600ページほどある大作は、山本風太郎賞や直木三十五賞など著名な賞をたくさん受賞している小説です。

もし気になっていただけましたら、ぜひお手に取って見ていただきたいと思います!

このブログも日々、たくさんの方に読んでいただけているようでありがたいです。

おかげさまでアクセス解析を見るのがとても楽しいです。

 

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とても嬉しいです。どうもありがとうございます!

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以上、り📚書評家でした~!

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