『り📚書評家による小説のすゝめ』
こんにちは。り📚書評家です。
みなさまいかがお過ごしですか?
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本日の独自劇評はこちら。
なんと豪華なことに、この劇団四季ミュージカル『美女と野獣』は、東京ディズニーリゾート近くの舞浜アンフィシアターで上演されています。
せっかくなので!わたしは劇団四季ミュージカル『美女と野獣』を観た後に、東京ディズニーランドへ行き、新アトラクション「美女と野獣」をたのしんできました。
本日はそんな「美女と野獣」三昧の1日の様子とともに、劇団四季とディズニーの「美女と野獣」解釈の違いを考えてみたいと思います。
ぜひミュージカルや劇団四季、ディズニー映画のお好きな方にたのしんでいただけましたら幸いです。
- 『り📚書評家による小説のすゝめ』
- 物語の視点は神の視点のナレーション「むかしむかし」
- コグスワーズとルミエールの存在
- ベルと野獣が出会うきっかけ
- 劇団四季「いつの世も変わらぬは恋心」
- ディズニー「やさしさがひらいてく愛のとびら」
- 劇団四季の『美女と野獣』
- ディズニーの『美女と野獣』
- 「恋」の作用の仕方の解釈
- 終わりに📚
物語の視点は神の視点のナレーション「むかしむかし」
ディズニーのお姫様(王子様)とお城の物語の中で、「むかしむかし」という神の視点のナレーションに始まる物語は「美女と野獣」だけなのではないでしょうか。
わたしが記憶している中では「美女と野獣」のみなのです・・・。
さらにディズニー映画以外の「美女と野獣」の映画や演劇、書物も可能な限りリサーチをしましたが、そのうちいずれもが「むかしむかし」に始まっていました。
これが何を意味するかというと、
一般のお姫様とお城の物語が「ふたりが出会うきっかけ」から始まるのに対して、
美女と野獣は「ふたりが出会う何年も前からの世の中の動き」から物語がスタートしている
と言えるのではないでしょうか。
これには深いわけがあるはず、という定義のもとに今回の劇評を展開していきます。
コグスワーズとルミエールの存在
美女と野獣の物語には「コグスワーズ」「ルミエール」という登場人物が鍵となります。
彼らは元は、王子様のお屋敷に務めていた人たちです。
王子様が野獣に変えられてしまった日に、「コグスワーズ」は時計に、「ルミエール」は蝋燭に姿を変えられてしまいました。
「コグスワーズ」と「ルミエール」は野獣の面倒を見て野獣にさまざまなアドバイスをします。
つまり野獣(=王子様)よりも年長者と思われます。
野獣よりも長い時間世の中を過ごしていて、時間を保存しているような登場人物たちです。
「美女と野獣」は「ふたりが出会う何年も前からの世の中の動き」から物語がスタートしているお話です。
ふたりが知り合うよりもずっと前から、可能であればベルや野獣が生まれるよりも前から「世の中」を生きている人物が必要となります。
以前から世の中を生きている、時間を保存するモチーフが「コグスワーズ」と「ルミエール」なのではないかと思っています。
そんな屋敷に勤めるスタッフたち「コグスワーズ」と「ルミエール」、ほか「ポット夫人」らがベルと野獣の恋の成就を見届けているという視点も重要です。
ベルと野獣が出会うきっかけ
正確には美女と野獣のストーリーの視点を
「ふたりが出会う何年も前からの世の中の動き」(=がふたりが出会うきっかけに繋がっている)
とお伝えしたいです。
ベルと野獣の出会いに世の中の動きがどう繋がっているかというと、
例えば「お城」、つまり身分差が生じていた世界であるということや、「魔法使い」の存在。
例えば「王子様が野獣にされたいきさつ」も含むでしょう。
さらに重要なのが、「時代を経ても変わらない人の心」ではないかとわたしは考えています。
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そのわけを考えるにあたり、劇団四季とディズニーミュージックの「♪Beauty and the Beast」和訳を引用したいと思います。
劇団四季「いつの世も変わらぬは恋心」
劇団四季の2幕で歌われた「♪Beauty and the Beast」のラストの歌詞はこうです。
いつの世も
変わらぬは
恋心
劇団四季「美女と野獣」観劇当日のわたしは話語の「変わらぬわ」だと解釈していたのですが、「は」と書くのだそうです。
これは、
「いつの時代も変わらないもの。それは、恋心。」
という意味でしょう。
つまり、人がどのように惹かれ合いどのように恋に落ちていくのかは、時代が進んでも変わらないということではないでしょうか。
ディズニー「やさしさがひらいてく愛のとびら」
一方でディズニーアニメやディズニーランドのアトラクション「美女と野獣」が採用している
「♪Beauty and the Beast」のラストの歌詞はこうです。
やさしさが
ひらいてく
愛のとびら
これは
「彼らの愛のとびらを開いたのは、互いを思いやるやさしさである」
という意味でしょう。
つまり、恋に落ちる時の手順を解説しているような訳ではないでしょうか。
この歌詞はわたしたちに、困難な出会いをしたベルと野獣でも「やさしさ」の力は大いに作用し、結果困難をも乗り越えさせてくれたと伝えてくれます。
劇団四季の『美女と野獣』
クライマックスシーンの曲「♪Beauty and the Beast」のサビパートで
「いつの時代も変わらないもの。それは、恋心。」
と歌う、劇団四季のミュージカル『美女と野獣』はコグスワーズやルミエールから見て、長い年月を経っても人の恋心の真髄は変わらないものだねとにこやかに歌い上げます。
そこから解釈をすると、劇団四季ミュージカルは『美女と野獣』を「時代や国、性格を超えて共通し人に作用する恋心のパワー」を扱う舞台として上演しているのではないでしょうか。
ディズニーの『美女と野獣』
一方のディズニー『美女と野獣』では、クライマックスシーンの曲「♪Beauty and the Beast」のサビパートは「彼らの愛のとびらを開いたのは、互いを思いやるやさしさである」と歌います。
ここから解釈をすると、ディズニーは『美女と野獣』を「複雑な出会いからベルと野獣を熱烈な恋へと導いたのは互いへのやさしさだ」と扱う物語として作り上げているのではないでしょうか。
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「恋」の作用の仕方の解釈
劇団四季ミュージカル『美女と野獣』も、ディズニー『美女と野獣』も、ともに長い月日を見守っている人がベルと野獣の恋を祝福する形でまとめています。
どちらも、いつの時代も恋は素晴らしいものであると肯定してくれているようです。
しかしその「恋」の作用の仕方の解釈は両者で大きな違いがあるのではないかなとわたしは感じました。
終わりに📚
今日のブログはここまでにしようと思います。
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以上、り📚書店員でした~!
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