福祉と飲食店を組み合わせて、みんなをハッピーにする方法『注文をまちがえる料理店のつくりかた』
こんにちは。り📚書評家です。
みなさまいかがお過ごしですか?
インターネットやSNSを通じて、「注文をまちがえる料理店」や「注文に時間がかかるカフェ」の評判を目にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
わたし自身も以前からその存在は知っており、「互いのミスを攻撃せず、やんわりと認め合う、優しい空間なのだろう」と、ふんわりとしたイメージで受け取っていました。
しかし今回、『注文をまちがえる料理店のつくりかた』という書籍を読み、その裏側にある確固たる哲学と、実際に働く方々や関わる人がどのような気持ちでこの場を創り上げているのかを深く知ることができました。
単なる「いい話」では終わらない、わたしたちの社会のあり方を根底から問い直す、素晴らしい読書体験となりました。
- 福祉と飲食店を組み合わせて、みんなをハッピーにする方法『注文をまちがえる料理店のつくりかた』
- ハンバーグが餃子に変わる? 奇跡のレストラン
- 「支援」ではなく、「自己肯定感」の回復
- 社会問題は、そのまま「社会の課題」である
- 寛容な社会の広がりを願って
ハンバーグが餃子に変わる? 奇跡のレストラン
「注文をまちがえる料理店」とは、その名の通り、ホールで接客を担当するウェイトレスやウェイターが、主に認知症を抱えるおじいちゃんやおばあちゃんたちで構成されているレストランです。お客さまが「ハンバーグをお願いします」と注文しても、厨房にたどり着くまでに忘れてしまったり、別のテーブルのオーダーと混ざってしまったりする。
その結果、テーブルに運ばれてきたのはなぜか熱々の「餃子」になってしまうかもしれない。
通常の飲食店であれば、即座にクレームに発展するような事態です。
しかしこの料理店では誰も怒りません。
むしろ「間違えちゃったみたいですね」「でも、この餃子もすごく美味しそうだからこれでいいですよ!」と、店全体があたたかい笑いに包まれるのです。
どんな間違いが起きてもどうでもよくなってしまうくらいに、提供される料理が本格的で美味しいこと。
そして、この空間でしか味わえないハプニングを、極上の体験としてお客様にお届けしている点が、このプロジェクトの最大の魔法です。
書籍『注文をまちがえる料理店のつくりかた』は、そんなプロジェクトの全貌を読むことができます。
【Fishlle!(フィシュル)】注文をまちがえる料理店が気になったあなたへ。こんなにおいしいお魚食べて環境に貢献できちゃうなんていいの?
「支援」ではなく、「自己肯定感」の回復
書籍『注文をまちがえる料理店のつくりかた』を読んでわたしが何よりも素晴らしい、そして画期的だと感じたのは、このプロジェクトの立ち位置です。メディアで取り上げられる際、こうした企画は往々にして「認知症の人に優しく寄り添い、サポートする立派な人たち」という支援の構図で美談として消費されがちです。
しかし書籍『注文をまちがえる料理店のつくりかた』から伝わってくるメッセージはまったく違いました。
根底にあるのは、
「認知症になっても、まだまだ社会で活躍したい」
「誰かの役に立って『ありがとう』と言われたい」
という、ご本人たちの自己肯定感や承認欲求そのものを真っ向から認め、叶えようとする圧倒的なリスペクトです。
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