天才的な屁理屈に転がされる小説『転の声』
こんにちは。り📚書評家です。
皆様いかがお過ごしですか?
本日の独自書評はこちら。
小説『転の声』をレビューします。
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およそ半年前、芥川賞の候補となった話題の中編小説です。
ぜひチェックしてみませんか。
- 天才的な屁理屈に転がされる小説『転の声』
- 知らないユニットやアプリツールがたくさん登場する近未来
- 主人公の心境は?小説『転の声』
- 転売に関する認識で時代性を図る小説『転の声』
- さらなる時代のアップデートを図るには
- 終わりに📚
知らないユニットやアプリツールがたくさん登場する近未来
小説『転の声』が扱う「転」と、はすなわち「転売」のことを指します。
現代から少し前の時代に、売れ行きを表すものが「プレミア」であったとすれば、今の時代の売れ行きを表すものは「転売の頻度」である。
小説『転の声』では、プレミアと転売の2つを同列に並べて世界を繰り広げていきます。
転売されるということにはプレミアが伴うという考えを示していく小説です。
反対派あってこそ
小説『転の声』内には、転売反対派ももちろん登場します。
しかし風潮として圧倒的に強いのは賛成派で、これは小説の登場人物だけでなく、テレビ番組のニーズやSNSの書き込みを通しても読者によく伝わるようにできていました。
注目すべきは、『転の声』で登場するミュージシャンなどのアーティストたちも、転売されることを誇りと思っている部分があるに感じられるという部分でしょう。
主人公の心境は?小説『転の声』
小説『転の声』主人公はうまく声が出ないけど、ボーカルを担当するアーティストです。
歌えなかったり上擦ってしまったりと、過度な緊張で萎縮し、その様子を他者にどう見られたかを気にしてうまく立ち直れないことを繰り返します。
進行させると「職業性ジストニア」と呼ばれる症状に当たるのではないかとみられるほど苦しむシーンもありました。
職業的ジストニアと新転売
歌番組に出演をしてコメント中に盛大に噛んでしまったり、うまく歌えなかったりすることがあるけれども、売れたくて人気になりたくて転売されるアーティストになりたくて必死です。
数分おきに全SNSを更新してチェックし、いわゆるエゴサーチを行っています。
日常生活に支障をきたすほどネットの口コミを確認し、好感度の高いコメントと悪意のあるコメントを受け止めていく描写は、小説としてかなり尖ったシーンですので、小説『転の声』を読む際にはぜひ注目してみてください。
提唱者と出会うことで小説『転の声』
そんな時に小説『転の声』の主人公は、世間の転売カルチャーを率いている人物と近づくきっかけを得ることとなります。
転売のコアに出会うことで主人公の人生は一変していくのでした。
転売は新しい考えであり最先端。
小説『転の声』内での転売の定義には、未来を見据えたものにだけ分かる何かが含まれていました。
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転売に関する認識で時代性を図る小説『転の声』
わたしたち読者が暮らす2025年の現在では、どちらかというと転売は「してはいけない行いである」という認識が強いような気がします。つまり著者・尾崎世界観さんが小説『転の声』で書き上げた世界観や主張に対して、反感を持つ読者が半数を占めるのではないかとわたしは感じます。
実際にわたしも屁理屈をこねているような登場人物たちに嫌な気持ちになってしまう部分もありました。
しかし、この小説『転の声』という小説の見事なところは、屁理屈をこねる彼らの理屈があまりにも通り過ぎているために、読者であるわたしたちが転がされていってしまう点にあります。
見事な転売理論
小説が後半に及ぶに連れて確かにと思わせられる場面が増えていった自分におどろきました。
反対派を納得させるほどの転売セオリーを語っていく彼らに、読者は勝てなくなってしまうのです。
そして見事に読者を手のひらで転がし、いろいろな気分を味わわせていくことができる小説だと思いました。
読者の気分をうまく転がす小説小説『転の声』
小説『転の声』を読み始めた序盤はイライラ。
次に感心し、次第に驚き、呆れていくような気分を味わった中編小説小説『転の声』。
この中編程度の枚数の小説で、これだけ気分をひっくり返してくる物語に、わたしはきっと出会ったことがないと感じました。
そしてコロコロと転がされていく自分が気がついたら次は、もうなにもかもが楽しくなってしまっていることに気がつき、はっとします。
さらなる時代のアップデートを図るには
小説『転の声』の中でも時間を経るごとに転売の認識はアップデートされていきます。
より発展形の転売について定義を唱えるシーンでは、コロナ以後のライブのあり方に見られた「無観客ライブ」という言葉が頻発します。
この無冠客ライブというのは、オンラインで配信をするコロナ中に流行ったライブとはまったく別のものです。
「転売」の新定義とともに、小説『転の声』では「無観客ライブ」の新定義も披露されます。
この概念をあなたはどう思うでしょうか。
少し滑稽な小説の結末とあわせて、ぜひたのしみにしていただけるとうれしいです。
終わりに📚
本日の独自書評では、小説『転の声』をレビューしました。
いかがでしたか?
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脂がのりまくっている小説!という印象の『転の声』はまことに見事な展開を見せてくれます。
ぜひより多くの方に読んでいただけましたら嬉しいです。
今日のブログはここまでにいたします。
2025年になりしばらく経ちましたが、みなさまいかがお過ごしですか?
いつもチェックしてくださる皆さま、リアクションをくださる皆さま、どうもありがとうございます。
これからもわたしが胸を熱くした体験を語っていく場として熱心に記事を書いていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
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以上、り📚書評家でした~!
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