『り📚書店員による小説のすゝめ』
こんにちは。り📚書店員です。
みなさまいかがお過ごしですか?
本日の独自展評はこちら。
国立西洋美術館企画展『憧憬の地ブルターニュ』をレビューします。
『憧憬の地ブルターニュ』で学んだこと
今回『憧憬の地ブルターニュ』で多くの絵に共通して、わたしはあることが気になりました。
それは「みどり」という色の重要性です。
『憧憬の地ブルターニュ』では、「みどり」色が幅広い使われ方をしていました。
まず、深みと厚みを出すための色として。
主に自然の中で「みどり」はこのような用いられ方をしています。
海の底なしさを表現し、緑の豊かさを表現していました。
対して透明感を出すための色としてもまた、「みどり」は活躍していたのです。
ガラスや空気、人の肌の透き通りを表現していました。
全く反対の効果を同じ「みどり」が表現しているのです。
もし自分が絵を描くものであったなら、この日からわたしの描く絵では「みどり」の存在が大きくなることでしょう。
3作のヨット ポール・シニャックさん
まずわたしが目を奪われたのが、ポール・シニャックさんの3作のヨットの絵たちでした。
連作なのでしょうか。
それぞれの個性も、共通性もを感じさせます。
点描画のまばゆさ、クレヨンの下絵のかわいい収まり。そして水の港を書く水彩の動き。
可愛らしくてこじんまりとしたイメージの作風です。
『嵐のベリール』『ポール=ドモワの洞窟』クロード・モネさん
圧巻の存在感を誇るクロード・モネさんの作品。
『憧憬の地ブルターニュ』では、2作が隣り合わせに展示されているとても豪華なスポットがあります。
絵の具が筆先で混ざるよう。
鑑賞者は動きのある筆先の「跡」を辿ることができます。
ガラス額の中で暴れるものと、収まるもの。そんな印象の2作でした。
『後向きの裸婦』モーリス・ドニさん
ここで先ほどの「みどり」が登場します。
透明感ある背筋。
緑と黄色を用いて、輝くような肌質を表現されています。
この『後向きの裸婦』はひじょうに美しかった・・・!
何度も振り返って戻ってはじっくり眺めたお気に入りの絵です。
『樹と流れ』アンドレ・ドーシェさん
黒を爽やかに使う色使いが印象的でした。
風通しの良いブルターニュの気候を存分に感じることができました。
開放的で明るい画面。細身の樹たちが画面を覆います。
『ケルゴエスの宿』金山平三さん
「木漏れ日の道」という印象です。
外国にはこのようなかわいい裏道がたくさんあるのだろうなと感じさせます。
日本人の金山平三さんが描かれた絵であることもまたの1つポイントではないでしょうか。
日本の古民家を少し、連想させるものがあります。
『放牧』鹿子木孟郎さん(かのこぎ・たけしろ)
おいしいチーズが作れそうだなあとい思いました。
開放的な画面表現です。
ブルターニュの豊かさと、土の香りを感じさせます。
青々とした芝生に、晴れ渡る空。
よく見ると2頭の牛が気を使いながらのんびりとお散歩をしているこの絵には、たくさんの「あたたかさ」が詰まっています。
たまらなくブルターニュを満喫した1日でした。
国立西洋美術館は常設展もおすすめ!
実はわたしのお気に入り美術館5本の指に入る国立西洋美術館。
企画展が豪華なのは毎度のこと。さらに常設展もものすごく立派なのです。
1日を過ごすことができる品揃え。ぜひ一度足を運んでみていただきたいです。
終わりに📚
本日の独自展評では国立西洋美術館企画展『憧憬の地ブルターニュ』をレビューしてみました。いかがでしたか?
今日のブログはここまでにしようと思います。
日々たくさんの方に読んでいただけているようで、アクセス解析を見るのがとても楽しいです。
とても嬉しいです。どうもありがとうございます!
始まって間もない小さなブログですが、どうぞよろしくお願いいたします。
6月上旬は美術展トピックが多くなりそうな予感です。
観に行ってすぐアップしなかったばっかりに、会期がぎりぎりになってしまいました。
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以上、り📚書店員でした~!